

去る1月16日に、ゴルフ関連15団体による「ゴルフサミット会議」が開催された。同会議は、97年の新年会における(財)日本ゴルフ協会の細川護貞会長(現名誉会長)の提唱を実現させたもの。「ゴルフをみんなのスポーツへ」を共同アピールとした同会議のこれまでの経緯を、世話人を務める大西久光氏((株)ダンロップスポーツエンタープライズ代表取締役副社長)に第28回定例理事会において、ゲストスピーカーとして語ってもらった。
JGA細川会長の意を受け第1回「ゴルフサミット会議」開催
97年1月に開催された「97ゴルフ新年会」は、ゴルフ関連15団体が初めて一堂に会し、ゴルフ界活性化に向けての第一歩となりました。同会では、冒頭の主催者代表挨拶で、(財)日本ゴルフ協会の細川護貞会長(現名誉会長)から「日本のゴルフ界の健全な発展を願い、また正しいゴルフ在り方をアピールしていくためにもゴルフ界のサミットを持つべきではないか」という提唱がありました。 その意を受けて15団体は協議を重ねた結果、本年1月16日に第1回の「ゴルフサミット会議」を開催し、その後15団体の各代表者が出席して、報道関係者に対する記者発表を行いました。記者発表後は「98ゴルフ新年会」を開催し、改めて「ゴルフをみんなのスポーツへ」という共同アピールを発表しました。ゴルフ場利用税撤廃を第1目標に
第1回会議では、まずはじめに15団体が共同で結成した「ゴルフサミット会議」の総意として、どのような活動を推進していくかを協議した結果、基本となる3つの目標を提言しました。今後は、この提言を各団体で標語とし、具体的に何ができるのか、共同歩調を取りつつ活動を行っていきます。<提言>
- '99国体を機会に、ゴルフ場利用税の撤廃を目指す
- ゴルフのマナーを広め、社会のモラルアップに貢献する
- ゴルフを通じて、自然との共生・調和を目指す
特に1つ目の「ゴルフ場利用税撤廃」については、ゴルフが99年の熊本国体から正式種目になることをきっかけに、ゴルフ界全体で取り組まなければならない問題です。国体に参加することはスポーツとして認められたということになります。にもかかわらず、ゴルフというスポーツを楽しむプレーヤーに税金が課せられているのでは、ゴルフが真の意味でスポーツとして認められたことにはなりません。このゴルフ場利用税をプレーヤーが払うことで、地方自治体は毎年約1,000億円を手に入れることができると言われています。また、ゴルフによる消費税は年間300億円にも上ります。これは、1回ゴルフをすると1人あたり3,000円も税金を払っている計算になります。もしこの利用税が撤廃されれば、プレー人口は年間で約600万人も増加する見込みです。地方自治体との兼ね合いを考えても、非常に大きく難しいテーマではありますが、ゴルフがより多くの人々に親しまれるようになるためには決して無視できない問題です。
(財)日本ゴルフ協会では本年5月から7月にかけて全国の加盟ゴルフ場で300万人を目標とした「ゴルフ場利用税撤廃署名運動」を展開します。「ゴルフサミット会議」でも、各団体がこの運動に呼応することを決議し、積極的に署名運動を行うことを決議しました。最終的には300万人と言わず、より多くの署名を集められるよう尽力したいと思います。
今後は具体的な活動方針・内容を決定していく
2つ目は、ゴルフのマナー・エチケットについてです。近年、報道各紙で大きく取り上げられたり、話題になるゴルフの記事は、会員権問題やマナーに関するものなど、ゴルフ自体のイメージをダウンさせてしまうものも少なくありません。ゴルフの社会的地位を向上させ、モラルアップに貢献するならば、ゴルフは審判のいない唯一のスポーツであり、プレーヤー自身の自覚と威厳のもとに存在する特別なスポーツであることをアピールしていかなければなりません。そのためには、まず喫煙問題についても考えなければなりません。あらゆるスポーツの中でも、プレーヤーがプレー中に喫煙する姿がテレビ中継で映し出されるのはゴルフだけです。このようなマナー・エチケットの諸問題を解決しなければ、真のスポーツとしては認められるはずがありません。また、3つ目の自然との共生・調和に関しては、特にゴルフは誤解されている点もあります。農薬問題や、ゴルフ場を作ること自体が自然破壊につながるといった声もありますが、(社)ゴルファーの緑化促進協力会では、すでに100万本以上の木々を各地域に寄付しています。こういった地道な活動がより多くの人々に理解してもらえるよう、「ゴルフサミット会議」が積極的に活動しなければならないのです 以上のような諸問題にどのように対応していくのか、活動方針や内容の具体策はこれから煮詰めていく予定です。
これまでは、同じゴルフというスポーツに携わりながら他のゴルフ関連団体との相互交流の機会を得ることが比較的少なかったため、それぞれの団体が実施あるいは推進しているゴルフ発展に向けた活動も自ずと限界がありました。しかし、「ゴルフサミット会議」で15団体が結集したことにより、一層大きなパワーを得ることができました。今後とも大きな活動に推進してまいりますので、関係者の皆様にもご支援・ご協力をお願いしたいと思っています。
ゴルフサミット会議構成団代表者一覧
(財)日本ゴルフ協会 | 会長代行 | 中井文治 |
(社)日本ゴルフ場事業協会 | 理事長 | 渡辺弥栄司 |
(社)ゴルファーの緑化促進協力会 | 会長 | 中山素平 |
(社)日本パブリックゴルフ場事業協会 | 会長 | 桂田鎮男 |
(社)日本ゴルフ用品協会 | 会長 | 水野正人 |
(社)日本ゴルフトーナメント振興協会 | 理事長 | 鳥井道夫 |
(社)日本プロゴルフ協会 | 会長 | 石井富士夫 |
(社)日本女子プロゴルフ協会 | 会長 | 樋口久子 |
(社)全日本ゴルフ練習場連盟 | 会長 | 高橋一義 |
全国ゴルフ会員権取引業団体連絡会 | 会長 | 加藤洪 |
ゴルフ場関連事業協会 | 代表幹事 | 中務二郎 |
日本ゴルフコース設計者協会 | 理事長 | 金田武明 |
日本ゴルフジャーナリスト協会 | 会長 | 土井新吉 |
日本芝草研究開発機構 | 副理事長 | 古賀始 |
日本芝草研究開発機構 | 会長 | 中井文治 |