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「ゴルフをみんなのスポーツへ」2017年ゴルフ新年会開催
ゴルフ関連17団体で構成される「日本ゴルフサミット会議」は1月18日、ANAインターコンチネンタルホテル東京で「2017年ゴルフ新年会」を開催。17団体の関係者約650名が一堂に会し、ゴルフ市場活性化に向けて飛躍を誓い合った。今年度の活動のテーマは、「統一テーマによるゴルフ活性化の取組み」、個別団体による「ゴルフ活性化への取組み」、「ゴルフ場利用税」廃止を求める運動について、国家公務員倫理規程における「ゴルフ」の削除、暴力団等反社会的勢力の排除」で、熱い意見交換が行われた。
2017年ゴルフ新年会 新春特別企画講演
日本再興戦略「スポーツの未来開拓」
講演者 :鈴木大地スポーツ庁長官
ゴルフ関連17団体が主催した「2017年ゴルフ新年会」では、1988年ソウルオリンピック100m背泳ぎ金メダリストで、スポーツ庁長官の鈴木大地氏が新春特別講演を行った。演題は「スポーツの未来開拓」で、同庁が取り組むミッションをはじめ、スポーツを通じた健康増進や地域振興、経済活性化への施策など内容は多岐にわたる。ゴルフ界への期待とは―。以下より、講演内容を抜粋してお届けする。
「スポーツ庁が発足してから1年4ヶ月が経過しました。私どもはスポーツの価値を上げていくことをミッションに掲げていますが、ゴルフ関連についてはさらに応援したいと考えています。ゴルフはスポーツなのに、なぜ国家公務員の倫理規程で禁止されているのか?
まずはここから「撤廃」しなくてはなりません。
■スポーツ庁の組織とミッションとは?
スポーツ庁は、スポーツ基本法の趣旨を踏まえ、国際競技力の向上はもとより、健康増進、地域や経済の活性化、国際交流・協力など、スポーツ行政を総合的・一体的に推進するため、文部科学省の外局として設置された組織です。具体的なミッションは次の5点に集約されるでしょう。
@ スポーツによる健康増進
A 我が国の国際競技力の向上
B 我が国の国際的地位の向上
C スポーツによる地域・経済活性化
D 学校等における子どものスポーツ機会の充実
■スポーツを通じた健康増進
一週間に一回はスポーツをしてほしい。
年代別のスポーツ実施率をみると、60〜70歳代の方は50%を超えている一方、あまり運動・スポーツをしていないのは、20〜30歳代の人たちで3割を切っています。なぜか? @子育て、A仕事が忙しい、Bお金がない、ということだと思うんですね。これらの障壁を少しずつ取り払い、若者のスポーツ実施率を上げていきたいと考えています。
国民医療費の推移は、年々右肩上がりを続けており、現在年間41兆円にまで膨れ上がっています。これをスポーツの力で減らしていけないだろうか? 額が額ですので数%減らしていけたらすごい金額になる。もっと早く取り組んでいたら、新国立競技場もここから捻出できたかもしれません(笑)。
現在のスポーツ市場規模は約5.5兆円ですが、この10年で縮小傾向にあります。2〜3倍の伸長を見せる欧米とは対照的で、我々は2025年に15兆円達成の目標を掲げています。具体的には、この収益でスポーツ環境の整備と充実に充てていきたい。環境を整備することで、さらにスポーツ人口の拡大が望めると思っています。
スポーツは、ただメダルを取るだけではありません。健康、経済にも寄与するということを皆さんと共有し、価値を高めていきたい。
そのためには、スポーツの魅力を伝えることが重要です。そのひとつが、運動・スポーツへの興味や関心を継続する取組み。無関心層を囲い込むための予算を捻出していきます。ズバリ、TVの前でずっと座って見ている人たち(笑)へ「健康を維持するにはスポーツが大事」ということを啓蒙していきます。
■スポーツ人口拡大に向けた官民連携プロジェクト
私は、9時から18時までミッチリ働く公務員ですが、夜も忙しくスポーツをする時間は殆どありません。そこで考えたのが、出社時に13階のオフィスまで登山のように駆け上ること(笑)。いくら忙しい人でも、どこかに時間はあるはず…。スポーツ庁では、忙しいビジネスパーソンでも取り組めるように、官民で連携して通勤時間や休憩時間等に運動・スポーツをする習慣づくりを行っていきます。
■競技力強化へ向けた今後の支援方針(鈴木プラン)
2020年東京五輪において国民は何を望んでいるのでしょうか? 何の競技で何色のメダルを何個取ったのか? ロンドン大会では、13競技で計38個のメダルを獲得しました。昨年のリオ大会はメダル計41個で史上最高なんですが、実は僅か10競技にすぎません。「柔道」、「体操」、「レスリング」、「水泳」の4競技が大半を占めており、これからはもっとウイングを広げる必要がある。メダルを獲得できる競技を増やすことが命題なのです。
その強化資金については分配方式をとっており、オリンピック前の2年間は「これはいけそうかな」という競技へ資金を集中投下していくことになります。今はすべての競技にチャンスが与えられているという状況です。
日本は少子化により子供がどんどん減っていきます。しかし、我々はこれからも競技力を維持し、伸ばしていかないといけません。
現代では、この選手は「長距離が合っている」、「短距離が苦手」という検査が民間機関で行えます。倫理的な問題はありますが、才能のある選手を増やして、応援していくことも不可欠です。
女性アスリートに対する支援は、まだまだですね。女性は出産を機に力を発揮することが分かっています。ホルモンの関係など神秘に包まれた部分は多くありますが、可能性を感じています。
■ゴルフ界への期待
スポーツ市場を拡大するにあたり、ゴルフは高いポテンシャルを有しています。施設業をはじめ、クラブやウエアなどの用品産業、ツーリズムなど周辺産業。幅広い分野と融合できるでしょう。また、全国各地にあるゴルフ場は地域の核となり得る。これまでとは違う発想の具現化に期待して、スポーツ庁も応援していきます!」
資料提供:(一社)日本ゴルフ用品協会JGGAニュースより